『FACT OF LIFE / HE'LL BE THERE WHEN THE SUN GOES DOWN』 Bobby Womack |
癌とアルツハイマーに侵されていることはきいていたので、驚きは少なかった。
昨年、大阪に赴任して最初にビルボードライブに行こうかと思い立ったのがBOBBY WOMACKのライブだった。仕事の予定が入っていたのもあるが、2012年のライブレポートを読むとなんだか痛々しく感じられたのでためらいがあった。それで行くのをやめた。無理をしてでも行ったほうが良かったのか。それは判らない。

1997年公開の映画『ジャッキー・ブラウン』でBOBBY WOMACKの名前に久々にフォーカスが当たった。犯罪映画のファンでも知る人が少なかったアンソニー・クイン主演の『110番街交差点』('72)のテーマ曲。ブラックミュージックに造詣の深いクエンティン・タランティーノの選択に共感を覚えることができた私は優越感を覚えた。
この人については何度かこのブログでも触れてきたが、彼の魅力はアスファルトから立ちのぼるようなバイオレンスの匂いと、うらぶれた淋しさが同居していること。

その両極の魅力が結実したのが、まさにこの曲『FACT OF LIFE / HE'LL BE THERE WHEN THE SUN GOES DOWN』だ。私は生まれ変わったらこんな声になりたいと憧れるほど、彼の歌声が好きだった。
伝説がまたひとり去った。