濫読党宣言 |
僕は以前からそう感じている。
秋に限らず、通勤時の鞄にはいつも数冊の本を常備している。
1冊は小説、1冊はエッセイ、1冊はビジネス書といった具合だ。
ビジネス書と言ってもノウハウ本はほとんど読まない。書いている内容は、突き詰めればどれも似たようなものだし、人間としての奥行きを拡げるのにあまり役に立ちそうもないからだ。
今日の鞄の中は、「魯山人の美食 ~食の天才の献立~」、「人物で読むイスラム世界」、それに「失敗の本質 ~日本軍の組織論的研究~」である。
ちょっと堅いか。せっかくの秋なのに、どうも今は小説気分でないようだ。
しかし、どれもなかなか面白い。
すぐに仕事に役立つような本ではないし、明日からの行動パターンを変えようという啓蒙の書でもない。そもそも、究極的に無駄やムラを排除し、効率だけを重視した生活を強いるような本を読んで実践するのも、さもしい気がする。
自覚しているが、僕には大きく欠落していることがある。
いわゆる「教養」が足りないのだ。例えば、「古典」を読んでいない。
古今東西の、例えばシェイクスピアの一説を諳んじることもできないし、明治の文豪にもずっと不義理をしている。ヨーロッパの高名な作家に至っては言うに及ばす。「論語」や「韓非子」も解説本から入る邪道を歩んでいる。それでも「触れておかねば」という観念に囚われるのは、コンプレックスというか、学問や教養に対する自信の無さの表れだと思う。
それでも、まあ、何も読まないよりはいいだろう。
超ベストセラーが100万部発行されたとしても、日本中で100人に1人も読んでいないことになる。それくらい本を読む人は少ないのだ。僕には本を手に取るだけの知的好奇心がまだ残っている、というふうに前向きに解釈をするとしよう。
仕事上、年配の人と酒席を共にしていると、若い頃の仕事の苦労話、最近の若者の話、ゴルフの話、蓄財の話、あるいは最近の猟奇的な事件を例にとって世を憂う話しか出来ない人のなんと多いことか。しかも思い込み優先で客観性のかけらもない。
僕はこんな退屈な話しか出来ない年寄りにだけはなりたくない。
その為にも濫読を続けて、余裕を醸し、還暦を迎える頃には堂々と女性を口説けるテクニックを身につけたいものだ。
この世界金融危機においても、日本企業の財務体質が思いのほか
痛んでいないということも知っています。だから日本のビジネスマンや
企業は今は首をすくめているだけでいいということも知っています。
ビジネス書を読んでいる人間ほどビビりまくっているのが不思議です
ね。(笑)
あと自己啓発本も読みません。役に立たないので。(笑)
>還暦を迎える頃には堂々と女性を口説けるテクニックを身に
つけたいものだ。
ここが一番共通してるでしょうか。(笑)
ところで先般cassavetes69さんがIncognitoをとりあげられたの
に刺激され私もIncognitoについて書いてみました。
ご覧いただけるとうれしす。
「何がおきているか」「どういうことか」を正しく把握するためという目的が主です。
ビジネスマンたるものかくあるべし、という本はあまり興味がありません。言うまでもないでしょうが、「自己啓発本」はあまり性格が素直でないので妄信する力に欠けており、かつちょっと気味が悪いのでひやかし程度に書店でめくる程度です。
show-zonoさんはおそらく財務・金融に対するリテラシーが高いので、今、うろたえても仕方がないと達観されているのもよく理解できます。
本当に焦っているのはむしろ、円高の長期化を恐れる輸出に頼る製造業かもしれませんね。
とまあ、硬い話になりましたが、Incognitoの記事も拝見します。
上のコメントがしょこたん的な結びになっているのは、きっとタイプミスですよね。転向ではないですよね。きっと。