ゴールドな女 |
二人の子供をレジスタンス活動に巻き込むわけにもいかず、定期的な定番の買い物に出向いた。
日頃は有名ブランドを敬遠してセレクトショップめぐりを愉しむ僕も、アンダーウェアの選択にはデパートに出向く。デパートで扱うブランド品群は丈夫で質感がいいからだ。下着なら身につけても目立たないという利点もある。そういう観点で選んだボクサーブリーフとオンタイム用のVネックTシャツ、ビジネスソックスをたんまり購入した。
また、「ThreeDots」のネイビーのシャツにも手を伸ばした。
少し油断した腹回りにこのセレブリティ御用達のシャツが似合うか否か怪しいが、まあ、「格」で着倒してやろうじゃないか。
フランス発の子供服ブランド「BonPoint」に立ち寄る。くしゃっとした感じが可愛いフランスのBensimonのスニーカーを買いたかったからだ。
実はこの店では、ただならぬ殺気を背後に感じていた。しかし、振り返るとキャスケットを被った小柄な女性一人しかいない。・・・気のせいか。
次の瞬間、僕が感じた殺気の正体がわかった。
キャスケットの下に親しげな笑顔を隠したその女性は、あの”ゴールドな女”だった。
夫の試合観戦を兼ねた里帰りか。3個目を狙う北京も近いというのに余裕の行動だ。
僕自身の体が一番大事なので本人に直接お願いすることはできなかったが、あの禁断の”セクシー・ショット”だけは永久に封印して頂きたいものである。