『BAD INFLUENCE』 Robert Cray |
思春期は僕よりもはるかに読書家で、中学生の頃はSF小説を読み倒して表彰されたりした。高校の頃だったと思うが、出身の中学校に興味がうせた200冊くらいの蔵書を突然寄付したりしていた。
映画も、音楽も、いまや僕のほうが詳しくなったが、5歳年上の兄から受けた影響が今の僕を形作っていることは否定できない。ハリウッドの娯楽映画で言えば、いまだに兄のほうが観た本数は多いかもしれない。
音楽的嗜好の源流は、ほとんどこの兄の影響に遡る。
兄は、このRobert Crayのブルースアルバムを熱心に聴いていた。
そのほかの趣味は引き継いだが、兄のブルース趣味だけはあまり受け入れなかった。
入り口は、『Strong Persuader』というヒットアルバムだった。
そこから、”神様がパクッた”と言われたタイトル曲『BAD INFLUENCE』に行き着いたのだ。
この曲はEric Claptonが『August』でカヴァーしていることで話題にもなった。
オリジナルのほうが、Eric Claptonのカヴァーの数倍良い。
もう20年近く、この曲を聴いていない。
Robert Crayの最近の活躍も聞かなくなった。
年に一度か二度ではあるが、兄に会うと幾多の映画とともに、この『BAD INFLUENCE』という曲の滑らかなギターが頭の中で浮遊する。