2006年 06月 28日
『It's A Man's, Man's, Man's World』 James Brown |
地下鉄のドアが開いて、階段を降りた。
改札を抜けると、白いジャージ姿の若い男が、正面からぶつかってきた。
不機嫌な顔で僕が振り向くと、男はにやりと笑って、ふらふらと歩き去った。
目は奇妙に潤んで、揺れていた。
携帯プレーヤーからは、James Brownの『It's A Man's, Man's, Man's World』が響いていた。
コンビニエンスストアの横を通り過ぎようとしたら、いつもの浮浪者が寝ていた。
その横で、タオルを敷き詰めて、寝ている黒いジャージの男の子がいた。
まだ10代のような顔だった。ひょっとしたら、女の子かもしれない。
湿った雑巾の匂いがした。
小学校の脇の歩道で、二人組の男が並んで座っていた。
5厘刈りの男が、持っていた煙草を親指と中指で挟み、ぱちんと弾いて、車道に転がった。
赤い点が、アスファルトに落ちた。
プレーヤーからは、まだ『It's A Man's, Man's, Man's World』が流れていた。
点滅信号の黄色が濡れた路面に滲んだ。
僕がその横を過ぎると、黄色い光が、僕の影をつくった。
James Brownの叫びが終わると、僕は携帯プレーヤーの電源を切った。
鍵を開けて階段をのぼり、扉を開けると息子の顔が見えた。
僕を見つけると、声をあげて笑った。
僕も笑った。
改札を抜けると、白いジャージ姿の若い男が、正面からぶつかってきた。
不機嫌な顔で僕が振り向くと、男はにやりと笑って、ふらふらと歩き去った。
目は奇妙に潤んで、揺れていた。
携帯プレーヤーからは、James Brownの『It's A Man's, Man's, Man's World』が響いていた。
コンビニエンスストアの横を通り過ぎようとしたら、いつもの浮浪者が寝ていた。
その横で、タオルを敷き詰めて、寝ている黒いジャージの男の子がいた。
まだ10代のような顔だった。ひょっとしたら、女の子かもしれない。
湿った雑巾の匂いがした。
小学校の脇の歩道で、二人組の男が並んで座っていた。
5厘刈りの男が、持っていた煙草を親指と中指で挟み、ぱちんと弾いて、車道に転がった。
赤い点が、アスファルトに落ちた。
プレーヤーからは、まだ『It's A Man's, Man's, Man's World』が流れていた。
点滅信号の黄色が濡れた路面に滲んだ。
僕がその横を過ぎると、黄色い光が、僕の影をつくった。
James Brownの叫びが終わると、僕は携帯プレーヤーの電源を切った。
鍵を開けて階段をのぼり、扉を開けると息子の顔が見えた。
僕を見つけると、声をあげて笑った。
僕も笑った。
by cassavetes69
| 2006-06-28 00:18
| 音楽
|
Comments(4)
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sarah103 at 2006-06-29 00:58
cassavetesさん お久しぶりです。
“The Godfather of Soul”の登場ですね。↑の画像がたまりません。今年で73歳とはとても思えないJBの活躍ぶりは驚きです。
久々に『Living in America』が聴きたくなりかけてみたら、すごいパワーをもらえたような気がします。
“The Godfather of Soul”の登場ですね。↑の画像がたまりません。今年で73歳とはとても思えないJBの活躍ぶりは驚きです。
久々に『Living in America』が聴きたくなりかけてみたら、すごいパワーをもらえたような気がします。
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cassavetes69 at 2006-06-29 07:07
sarahさん、コメントありがとうございます。
何かのパワーになったのであれば幸いです。
実はJBは私の父親と同じ昭和8年生まれでして、それで年齢はいつも意識しているのですが、呆れるほど何かやらかしますよね。
この『It's A Man's, Man's, Man's World』は昔から好きな曲ですが、夜の路上に一層映えます。
何かのパワーになったのであれば幸いです。
実はJBは私の父親と同じ昭和8年生まれでして、それで年齢はいつも意識しているのですが、呆れるほど何かやらかしますよね。
この『It's A Man's, Man's, Man's World』は昔から好きな曲ですが、夜の路上に一層映えます。
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cassavetes69 at 2006-06-30 23:51
tanatali3さん、お久しぶりです。
JBは青春時代の思い出のアーティストなのですね。
私は、高校生の頃、『SEX MACHINE』を聴いたのが最初でした。
ローカルで放送されていたCMで、当時ロンドンの新進ブランドだったキャサリン・ハムネットの広告でした。ガツン、ときましたね。ほんとガツン、という感じでした。
JBは青春時代の思い出のアーティストなのですね。
私は、高校生の頃、『SEX MACHINE』を聴いたのが最初でした。
ローカルで放送されていたCMで、当時ロンドンの新進ブランドだったキャサリン・ハムネットの広告でした。ガツン、ときましたね。ほんとガツン、という感じでした。