2005年 04月 17日
COOLなLUKE ~『暴力脱獄』~ |
息をのむような映像や、眩暈を覚えるような艶かしいショットだけで映画の面白さを語っていては、つまらない。
スチュワート・ローゼンバーグの『暴力脱獄』を観た人は、ポール・ニューマンのあらゆる表情とともに、いくつかの印象的なシーンを思い出すだろう。
目を凝らすと、ハリー・ディーン・スタントンがギター片手に小刻みに震える声で歌を披露しているし、デニス・ホッパーがそれに合わせてはしゃいでいたりもする。
有名な「ゆで卵のシーン」は誰もが覚えているだろうが、それだけではない。
「干草刈り」は?、「洗車と巨乳」は?・・・「コールタール」「パンチの空振り」「穴掘り」「独房」「スーツ姿と美女」「泣き顔」そして「サングラス」。どうだろう?そのシーンが甦りはしないか。
この映画が、アメリカ映画史に輝く傑作だとまでいう気はない。
ポール・ニューマンの魅力が溢れる映画だが、その演技については、彼の「気負い」が出すぎていて、少しだけ映画の邪魔をしている。
しかし、このフィルムには娯楽映画としての「力」がある。
だから、これだけのシーンを記憶しているのだ。
近年の娯楽映画で失われた「力」である。
インスタントラーメンでもすすって、『暴力脱獄』を観るような土曜日の深夜も、また粋なのではないだろうか。
スチュワート・ローゼンバーグの『暴力脱獄』を観た人は、ポール・ニューマンのあらゆる表情とともに、いくつかの印象的なシーンを思い出すだろう。
目を凝らすと、ハリー・ディーン・スタントンがギター片手に小刻みに震える声で歌を披露しているし、デニス・ホッパーがそれに合わせてはしゃいでいたりもする。
有名な「ゆで卵のシーン」は誰もが覚えているだろうが、それだけではない。
「干草刈り」は?、「洗車と巨乳」は?・・・「コールタール」「パンチの空振り」「穴掘り」「独房」「スーツ姿と美女」「泣き顔」そして「サングラス」。どうだろう?そのシーンが甦りはしないか。
この映画が、アメリカ映画史に輝く傑作だとまでいう気はない。
ポール・ニューマンの魅力が溢れる映画だが、その演技については、彼の「気負い」が出すぎていて、少しだけ映画の邪魔をしている。
しかし、このフィルムには娯楽映画としての「力」がある。
だから、これだけのシーンを記憶しているのだ。
近年の娯楽映画で失われた「力」である。
インスタントラーメンでもすすって、『暴力脱獄』を観るような土曜日の深夜も、また粋なのではないだろうか。
by cassavetes69
| 2005-04-17 01:31
| 映画
|
Comments(4)
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limestone55 at 2005-04-17 11:53
「ゆで卵」確かに覚えています、ストーリーは忘れてしまいましたが。
それにしてもハリーDスタントンが出ていることにビックリ、かなり若いんでしょうね。
以前CATVで偶然観た「ストレートストーリー」のラストに出て来て『えっまさか、、、年食ったなー』(そういう役だったためでしょうか)と思い、記憶に残る一作になりました。(パリテキサス、エイリアンとともに)
監督の名前を知るにつけまたビックリでした。
それにしてもハリーDスタントンが出ていることにビックリ、かなり若いんでしょうね。
以前CATVで偶然観た「ストレートストーリー」のラストに出て来て『えっまさか、、、年食ったなー』(そういう役だったためでしょうか)と思い、記憶に残る一作になりました。(パリテキサス、エイリアンとともに)
監督の名前を知るにつけまたビックリでした。
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cassavetes69 at 2005-04-17 22:06
limestoneさん、ありがとうございます。
ハリー・ディーン・スタントンですが、『ストレイト・ストーリー』の時も、あの役ほど年取ってはいません。「兄」という設定は無理がありますね。『ゴッド・ファーザーPARTⅡ』の彼は確認済みでしょうか?
ハリー・ディーン・スタントンですが、『ストレイト・ストーリー』の時も、あの役ほど年取ってはいません。「兄」という設定は無理がありますね。『ゴッド・ファーザーPARTⅡ』の彼は確認済みでしょうか?
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limestone55 at 2005-04-17 22:37
PARTⅡ、はるか昔TVで観てますが記憶にあるのは、アルパチーノ、ロバートデニーロぐらいです、おはずかしい。
どんな役所ですかねー、ビデオ借りてのお楽しみというところでしょうか(一家の手下とかってことないですよね)
↑のポールニューマン、若い時のマーロンブランドですね。
どんな役所ですかねー、ビデオ借りてのお楽しみというところでしょうか(一家の手下とかってことないですよね)
↑のポールニューマン、若い時のマーロンブランドですね。
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cassavetes69 at 2005-04-17 22:58
再度の御来訪ありがとうございます。役どころに関しては、お楽しみに。
仰せの通り、ポール・ニューマンは「第二のマーロン・ブランド」として売り出されました。それが不服だった、という事実があります。この映画に漲る「気負い」はそういった評価への彼なりの反発もあるのでしょう。
仰せの通り、ポール・ニューマンは「第二のマーロン・ブランド」として売り出されました。それが不服だった、という事実があります。この映画に漲る「気負い」はそういった評価への彼なりの反発もあるのでしょう。