『Blue Charlie Brown』 Vince Guaraldi Trio |
ずっと、ゴーッという音が左耳に響いている。空調とか、車の振動などに共鳴する。
耳塞感があり左後頭部に鉛を貼り付けているようで、平衡感覚がおかしい。
2週間前に医者に行った際、突発性難聴とメニエールの疑いがあると言われた。
しかしそれは稀な例で、9割の人は1週間で治るといわれたが、今のところ変化がない。
気が狂うほどではないが、ずっと気持ちが悪い状態が続いている。
そんななかであるが、先週の日曜日は住吉神社の境内で行われた雑貨市に出かけた。
勿論、年配の人もいるが、比較的若くてお洒落指数が高い人たちで埋め尽くされている感じだ。恐ろしく背の高いアフリカ系の外国人がアクセサリーを売ったり、中古レコード屋では若いDJが、Deniece WilliamsとOhio Playersを若い女の子に視聴させている。レアグルーヴを物色していたら、DJから「音楽業界か放送業界の方でしょう?なんとなく雰囲気でわかりますよ」と。ずばり、大ハズレです。
双子用に、チェコ製のホーローのかわいいマグカップをペアで買う。
「徘徊堂」という古本屋が出店していた。'70年代の「non-no」から、”第三の新人”世代の装丁の美しい小説や面白そうな童話が並んでいる。我が家は、'72年モノの、シュルツの『PEANUTS』を5冊買った。子供の頃に、まったく同じものを読んでいた懐かしさが込み上げてきたのだ。
「ゲバっ子ルーシー(Gewalt Lucy)」なんてタイトルもあるが、ゲバ棒という言葉が生々しかった頃とは言え、そもそもゲバっ子なんて言葉があったんだろうか?邦訳は谷川俊太郎である。
続いて目にとまったのが、太田大八の『かさ』というサイレントの童話。
字は一切なくて、絵だけで父を駅までお迎えにいく物語を進行させていくのだが、視線が極めて映画的なのだ。街並みにチャップリン映画の看板があるのは、無声映画へのオマージュと思われる。
35年ほど前の作品だが、とてもモダンで、お洒落なのだ。以前ピックアップした映画、『赤い風船』を思い出させる、パリの情景のように美しい絵本だ。
童話を紹介すると、なんとなくいい人に見られるような気がするので、あざとい考えで敢えて書いてみた。
(同じ理由で、女の子に絵本をプレゼントして気を惹こうとする文学系男子なんて、魂胆がさもしくてロクな奴じゃないと付け加えておく。)
さて、帰ってから楽しみにしていた『PEANUTS』の封を開けた息子だが、この作品のシニカルな笑いについていけずに困惑している。まだ、ちょっと早かったようだ。何度も何度も、4コマ目のオチの意味についてしつこく、涙声で聴いてくる。
たまりかねた妻が、ルーシーも驚くような勢いで「もう、うるさーい!」と叫んだ。
我が家のチャーリー・ブラウンは真っ青になって、ひとり部屋の隅でいじけた。
♪『Blue Charlie Brown』 Vince Guaraldi Trio
もう二度と会わない事になったのですねぇ。
(すいません。昨日たまたま思い出して記事に書いたんです。。。)
十年くらいたった今、納得です。
それにしても、さすがのセレクトですねー。
「かさ」という本も、素敵な絵本ですよね。
「PEANUTS」も装丁の色使いが素晴らしいです。
私は、こういう所へ行くと、「次、いつ出会えるかわからん!」と思って、
つい変なモノばかり買ってしまいます。
記事拝読しました。男が絵本を贈るという行為は、①ナルシストである②私は女性の気持ちが判る男である、価値観を共有できる対象であるというアピール③自分がこの女性に受け容れられているのは、絵本を贈るような感性の部分である、という思い上がり④ゲイである、などの可能性が高いので、絵本を贈る男は恋愛対象として警戒した方が良いと思われます。勿論、例外もあるわけですし、上記の男と相性が良い女性もいますので、責任はとれませんが。
『かさ』は良いです。私がイラストレーターならば参考にしたくなるような構図が並んでいます。あきらかに『赤い風船』の影響はあると思います。
しかしこういう催しは楽しくて仕方がありませんね。